View on GitHub

yukipedia

Private Wiki

目次へ


準備

決意から渡航までのお気持ちと行動を書いていきます.

ちらほらと出てくる,無視できない経済面の話の詳細は,別ページにてすることにします.

長くなったらページ分けるかも……

前提条件

日本生まれ日本育ち,東京工業大学の博士後期課程学生です.

決意(お気持ち)

大海を知らない井の中の蛙にはなりたくなかったので,見聞を広めるためにどこかで一度,長めに海外に出ようと思っていました. 特に,コロナ禍で国際会議等に全く現地参加できていなかったこともあり,自分の中の(広義の)海外経験の価値が肥大していたことが決定的だったように思います.

加えて,今後の人生選択のために,Japanese-TraditionalでなくBigな環境と,「面白いことをし続けている」人たちが実際に何をしているのか,を知りたかったです.

あと,ちょこっとだけ,英語の学習機会になればいいのかなとも. 普通に生きていたら海外在住なんてそうそう機会ないでしょうし,人生に一度くらいはしてみたかったのです.

ただし,正直な気持ちとしては,貯金はできるだけ削りたくないし,冬は日本にいたかったです. なぜなら私は和食とスキーと温泉が楽しめる日本の冬が大好きだから……

余談:「スキーがしたければスイスに行きなよ(笑)」と,とある先生に言われました.

人生への組み込み作業

2023年4月1日付で博士後期課程3年生(D3)になります.つまり,通常の修了ルートに乗るのであれば,博論審査が1年未満でやってきます.

私は,博士後期課程2年の6月(2年生になって3か月くらいのタイミング)で指導教員と相談し,留年することを前提に計画を始めました. 渡航開始は2023年5月なのでだいたい1年前くらいから動いたことになります.

この留年する前提を作れた背景としては,

  1. 経済的にある程度安定したこと,
  2. 上記に付随して精神的・体力的に大分余裕ができていたこと,
  3. そして何より,大学入学以降累計1年分飛び級しており,留年しても時間が元に戻るだけであること

が挙げられます.

一般的には,海外中長期滞在は,博論執筆に影響しにくいD1かD2で行くのが,良いらしいですね.

行き先の選定

6月以降,2か月くらいぼちぼちと行き先を検討しました. 4か所くらい真面目に検討したと記憶しています. ちなみに私は臆病なので,アメリカの研究機関は一切検討しませんでした.銃社会怖い.

最終的に選んだのは自分の主たる研究分野とは少し方向性の異なる研究室です. 一番面白そうなことをしており,とても活力ある研究室に見えたというのが,最大の理由だったと思います.

実際行ってみて,この感覚は当たっていたので,良かったと思います. ただ,リスクある選び方であった自覚もありますので,感覚的な選択は他人にはあまりオススメはできません.

それから,あえて少しテーマのずれた研究室に行くことで,何か得られるものがあるのではと期待した側面もあります. 私はこれまで「自分の好奇心に素直に」「引き出しは増やせるだけ増やしておく」という方針で生きてきたので,そういう価値観が自然と現れた形です.

ホストとの相談

2022年8月の頭に元々知り合いだった先生に相談のメールを送りました. メールしたタイミングが大変良かったようで,その先生が近く来日するとのことでした.

日本人の先生なので,お盆に日本に帰省してきたわけです.

ということで,メールしてから2週間ほどで対面で2時間くらいの面接(ありがたいことに日本語!)を受け,その場で受け入れ承諾をいただきました.

資金調達

行き先が決まったのでお金が必要です.

(独)日本学術振興会の若手研究者海外挑戦プログラムに応募しました. 次年度前半期の応募は2022年9月上旬に締切が来るので,面談してから2週間弱で研究を練り,1週間で申請書を書き上げ,ホストの先生に見てもらいました.

強気な発言になりますが,コロナ禍で倍率が下がっていたことに加え,申請書書きには自信があったので,他の助成制度には応募をしませんでした. (ただし日本学術振興会特別研究員の科研費(特別研究員奨励費)を渡航費用に使う最終手段があったことを付記.)

ちなみに他の助成制度で検討したものは以下です.

祈り

12月に上記プログラムの採択が出るので,9月後半から12月までは,採択されるように徳を積み,毎日祈るくらいしかやることがありません.

一応,ホスト研究室の出した論文は目を通すようにしていました.

それから,パスポート更新の手続きはこの間にしました.

滞在先の事務手続き

私の場合,所属大学の制度は一切使わず,ホストの先生に直接お願いしたので,手続きも全て自分で直接やりました.

ホストの先生に指示を仰ぎ,渡航の約3か月前から手続きスタート.書類の流れは以下の通り.1か月半ほどかかりました.

  1. 私 -> ホスト教員:CV(履歴書),研究計画書
  2. ホスト教員 -> 私:受入承諾書(JSPSの手続き用)
  3. 私 -> ホスト学科:パスポートコピー
  4. ホスト学科長 -> 私:Invitation Letter, Visa Letter
  5. 所属大学の所属学科長 -> ホスト大学:Confirmation Letter

今回,私は4か月の滞在をします. イギリスは日本国籍保持者に対し,6か月未満の滞在では原則ビザ不要としています. ただし,渡航証明としてパスポートにスタンプを押してもらう必要があるときには,入国審査時に自動ゲートではなく有人ゲートを通らなければなりません. 入国審査官に Visa Letter を見せると話がスムーズです.

Confirmation Letter は,私が所属大学に在籍しており,どんな研究テーマをしていて,そのテーマが滞在中の研究と関連していることを証明するものです. ホスト大学から上記の内容を指定されたのですが,前例がなく,学科長の先生や研究室の秘書さんと一緒に頑張って文章を錬成しました. 誰かの助けになることを願って以下に本文を掲載しておきます. これに発行日,所属大学の情報,学科長の職位・名前・署名が入りました.

To whom it may concern;

This is to confirm that Mr. NAME (date of birth: BIRTHDAY) has been admitted to study at HOST UNIVERSITY between START_DATE and END_DATE (departure from Japan DEPARTURE_DATE, arrival in Japan ARRIVAL_DATE).

Mr. NAME is currently with the DEPARTMENT, SCHOOL, HOME UNIVERSITY in Tokyo, Japan. He is pursuing his PhD degree in MAJOR under the supervision of Prof. SUPERVISOR. His doctoral research is RESEARCH THEME.

This letter verifies that his research on RESEARCH TOPIC at HOST UNIVERSITY is part of his doctoral research. His overseas study will also fulfil the educational objectives at our institution. He will be awarded course credits based on the evaluation of his overseas study.

Yours faithfully

なお渡航後,追加でホスト学科に一件書類を出す必要がありました. Visitor Agreement という書類で,「問題起こしたらすぐ日本に帰ります」という内容でした. これに私と日本での指導教員の署名を入れて電子提出しました.